「洋裁を始めるとまず最初にタイトスカートを作る」と言っていいほど、タイトスカートは基本のアイテムです。
そこで、今回は、タイトスカートの作り方をご紹介したいと思います。
裏地も付けてみましょう!
パターンの準備
製図の書き方は、こちらでご紹介しています。
>>>スカート原型として使える~タイトスカートの製図の書き方~
ぐるり1周で、ヒップに4cm、ウエストに1cmのゆとりが入っています。
タイトスカートの作図は、「スカート原型」としても使えますので、
書いた製図は切り離したりせず、別の紙に、「前」「後ろ」それぞれ写し取りましょう。
今回は、ひざ丈くらいをイメージして、スカート丈55cmにしたいと思いますので、スカート原型から5cm短くして写します。
ベルトを書きましょう。ファスナーのあき止まりも決めておきます。
次に、縫い代をつけます。下の図を参考にして下さい。
赤線が縫い代の線です。
縫い代が書けたら、縫い代の線(赤線のところ)でパターンをカットします。
材料の準備
・表布
スカートの表布です。
なんでもよいと思いますが、あまり薄手の布は向いてないと思います。
110cm幅の布なら1m30cm
150cm幅の布なら75cm
使用する予定です。
・裏布
裏地として売られている布が良いです。
90cm幅で、1m25cm使用します。
キュプラ、ポリエステル、トリコット(ニット)裏地…なんでもよいですが、
キュプラは水に弱いので、自分で洗濯するつもりなら、避けた方が良いかもしれません。
・ミシン糸
シャッペスパン普通地用を準備すればよいでしょう。
糸見本を見て、表布と色を合わせましょう。
・ベルト芯または接着芯
3cm幅のベルト芯を使います。接着タイプのものがラクだと思います。
ベルト芯を入れると、ウエストがかっちり仕上がります。
それが好きではないという方は、ベルトの裏面に接着芯をはりましょう。
1枚だと弱いので、2重に貼ると良いと思います。
・コンシールファスナー
22cmのものが売っていると思います。1本使います。
表布と色を合わせて購入しましょう。
※「コンシールファスナー押え」を持っていない方はそれ以外のファスナーを使ってください。
・ホック
ベルトの端につけます。
「スカート用ホック」「縫い付け前かん」「薄型ホック」などという商品名で売っています。
・ボタン付け糸
ホックを縫い付ける時と、裾の糸ループを作る時に使います。
#20 か #30 くらいの太さの手縫い糸を準備しましょう。
裁断
表布の裁断
下の図が裁断イメージ図です。
110cm幅の布地の場合
150cm幅の布地の場合
裏布の裁断
裏布のパターンは表布と共通ですが、
裾は、縫い代込みで、表布の出来上がり線まででOKです(下の図の緑の線)
表布の出来上がり線でパターンを折って、裏布のパターンとしましょう。
裏布の裁断イメージ図です。
表布のダーツの位置に、「切りじつけ」で印をつけておきましょう。
切りじつけのやり方、ダーツの縫い方はコチラでまとめています。
>>>「ダーツ」きれいに仕立てるヒント~印のつけ方と縫い方~
裏布は、ダーツの位置にルレットで印をつけます。
パターンがついたまま、上からダーツの線をルレットでなぞって印をつけます。
机を傷つけないように、カッターマットなどがあると良いです。
縫い方
表布を縫う
①後ろ中心、脇の縫い代を、それぞれロックミシンまたはジグザグミシンで始末します。
②後ろ中心を縫います。あき止まりより上は粗ミシンにします。
縫い代はアイロンで割ります。
③後ろ中心のあきの部分に、ファスナーをつけます。
コンシールファスナーの付け方は、コチラで紹介しています。
④前後のダーツを縫います。
ダーツの先端は、返し縫いをせずに、縫い目が自然にフェードアウトして行くようにして、糸端は10cm程度残して切ります。
2本の糸端を一緒に針に通して、ダーツの先端で玉止めして、糸を切ります。
縫い代は、アイロンで中心側に倒します。
⑤前と後ろを中表に合わせて、脇を縫います。
縫い代はアイロンで割ります。
⑥裾の布端をロックミシンまたはジグザグミシンで始末して、出来上がりに折ります。
「奥まつり」又は「流しまつり」でまつります。
このとき、表側の布を多くすくってしまうと表にひびくので、
織り糸の1~2本のみをすくうようにまつっていくときれいに仕上がります。
まつり縫いの糸はミシン糸を針に通して使いましょう。
裏布を縫う
⑦後ろ中心を中表に合わせて、あき止まりの3cm下まで、
出来上がり線(布端から2cmのところ)を粗ミシンまたはしつけ糸で縫います(完成後ほどきます)
⑧⑦で縫った粗ミシンまたはしつけ糸より、3ミリ縫い代側をミシンで縫います。(3ミリ きせ を入れる)
縫い代は2枚一緒にロックミシンまたはジグザグミシンで始末し、
粗ミシンまたはしつけ糸の位置でアイロンで右側に倒します。
⑨前後のダーツを縫います。
ここでも、ダーツの出来上がりに、粗ミシンまたはしつけ糸で縫ってから、3ミリ外側をミシンで縫います。
粗ミシンまたはしつけ糸の位置で、縫い代を中心側に倒します。
⑩前後を中表に合わせて、両脇の出来上がり線(布端から1.5cmのところ)を粗ミシンまたはしつけ糸で縫います。
次に、粗ミシンまたはしつけ糸から3ミリ縫い代側をミシンで縫います。
⑪両脇の縫い代は、2枚一緒にロックミシンまたはジグザグミシンで始末して、
粗ミシンまたはしつけ糸の位置でアイロンで後ろ側に倒します。
⑫裏布の裾を1.5cmの三つ折りにしてミシンで縫います。
ここで、表布の出来上がりより、裏布の出来上がりが3cm短くなります。
表布と裏布を合わせてベルトをつける
⑬表布と裏布を外表に合わせます。
ウエストの縫い代を2枚合わせてしつけ糸で縫ってとめておきます。
⑭ファスナーまわりの裏布の縫い代を内側に折り込んで、裏布をファスナーテープにまつってとめます。
まつり縫いの糸はミシン糸を使います。
⑮ベルト芯をベルトの裏面にアイロンではります。
ベルト芯は、ベルトの縫い代を除いた長さで用意して、表側の出来上がりの位置にはります。
⑯ベルトをスカートにつけます。
後ろ中心は、右側はまっすぐ、左側は持ち出し部分が飛び出すようにつけます。
次にベルトの両端を中縫いして、表に返します。スカート、ベルトの縫い代はすべてベルト側に倒します。
裏ベルト側(体のほう)の縫い代を折り込み、細かくまつってとめます。
まつり縫いの糸はミシン糸を使います。
⑰ベルトの端に、ホックをつけます。
糸は「ボタン付け糸」を使いましょう。
⑱ボタン付け糸を使って、糸ループを作ります。
糸ループは、両端10cm程度糸を残した状態で、くさり編みで5cmくらいの長さで作りましょう。
裏布の裾から3cm程度の位置で、糸ループの片方の糸端を表布の縫い代に縫いとめ、糸ループの反対側の糸端を裏布の縫い代に縫いとめ、表布と裏布をつなぐようにつけます。
糸ループの糸端はカットしてしまってOKです。
⑲裏布の、後ろ中心、脇、ダーツの出来上がり線に縫った、粗ミシンまたはしつけ糸をていねいに取り除きます。
まとめ
説明を読むだけではわからないところもあるかもしれませんが、一つずつ読み取り、実際に作ってみると、いろいろわかることがあると思います。
「自分がわかっていないところ」を知ることも上達の一歩です。
何着か作るうちに、基本的な裏布の構造もつかめてくると思います。
ぜひ、最後まであきらめず、まずは1着作ってみてください。