「ブラウジング」とはブラウスやワンピースなどのウエストの部分をたくし上げて、ふくらみをもたせた形を作ることをいいます。
ワンピースをブラウジングするなら、ベルトなども考えられますが、今回はゴムを使ったデザインにしてみました。
”ファスナーあき”は無く、かぶって着られるパターンにしました。
丈はヒザがかくれるくらい。袖の長さは8~9分袖くらいになっています。
パターンの準備
製図をしましょう。
まずは身頃からです。
前身頃にあるダーツですが、
まず上の線の水平線をかきます。
次に下の線をその線とぶつかるようにかきます。
そして、その長さをはかって、同じ長さになるように上の線を訂正します。
線が少しとび出ると思いますので、その点と結び直してください。
身頃が書けたら、後ろ身頃のウエスト部分の長さ(製図中の●のところ)をはかっておきましょう。スカートの製図で使います。
また、アームホール(AH)を前、後ろ、それぞれはかっておきましょう。(下の図の赤線のところ)
袖の製図で使います。
AHはカーブしていますので、メジャーを立てるようにして少しずつ指でおさえながらはかると良いです。
次に袖の製図をしましょう。
まず、水平線と、それに対する垂直線をひきます。
その交点から、袖山の高さ(今回の場合13cm)をとります。
斜めの線は、そこからとりたい寸法(「後ろAH」など)で、最初にかいた水平線と交わるようにかきます。
最後に、スカート部分の製図をしましょう。
身頃を製図したときに、後ろ身頃のウエスト部分をはかって「●」としましたね?
その「●」の寸法に20cm足した寸法を横にとります。
丈はウエストから60cmとしていますが、ロング丈が好きなら、80cmくらいにしても良いと思います。
製図ができたら、次に縫い代をつけましょう。
赤の数字の分の縫い代をつけたらパターンをカットしましょう。
材料の準備
布地
110cm幅の布地を3m準備しましょう。
ロング丈にしたい場合は、3.2mです。
少し余裕をもって、購入すると良いでしょう。
厚手の布地は避けた方が良いでしょう。
ミシン糸
普通地用#60のミシン糸を用意しましょう。
バイアステープ
衿ぐりの縫い代はバイアステープで処理します。
1cm幅のゴム
ウエストの切替えのところにゴムを通します。
裁断
使いたい布地が、綿または麻の場合は、裁断の前に水通しをしましょう。
布地を縦半分に折って、製図内の「わ」のところを折ったところに合わせておきます。
まち針でとめてから、パターンの通りに裁断しましょう。
前身頃には、ダーツがありますので、ダーツの部分は「切りじつけ」でしるしをつけましょう。
切りじつけのやり方、ダーツの縫い方はコチラでまとめています。
>>>「ダーツ」きれいに仕立てるヒント~印のつけ方と縫い方~
スカートは同じパターンで前1枚、後ろ1枚の合計2枚裁断します。
縫い方
①前身頃のダーツを縫います。縫い代は下側に倒しておきましょう。
②前後身頃の肩を中表に合わせて布端から1cmのところをミシンで縫います。
③前後身頃の脇を中表に合わせて布端から1cmのところをミシンで縫います。
④肩、脇の布端に、2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンをかけます。
縫い代はアイロンで後ろ側に倒しておきましょう。
⑤衿ぐりの縫い代をバイアステープでくるみます。
衿ぐりとバイアステープを中表に合わせて、布端から0.5cm離して合わせてしつけをかけます。
はじまりは1cm程度折っておきましょう。
最後は1cm程度重なるところまでにします。
1周しつけ糸で縫いとめたら、身頃の布端から1cmのところをミシンで縫います。
縫えたら、しつけ糸は外して、バイアステープの端に合わせて布地を0.5cm切り落とします。(下の図の赤く塗ったところ)
裏側に返して、しつけ糸で縫い、その後ミシンで縫います。
出来上がりの断面図です。
⑥袖を作ります。
袖山に袖つけのときのためのミシンをかけます。
布端から0.7cmのところに1本、その外側にもう1本ミシンをかけます。
糸端は長めに残して切ります。
次に、袖口を1.5cmの三つ折りに、アイロンで折り目をつけます。
いったん折り目を戻して、袖を中表に筒状にして袖下を縫います。
縫い代は2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンをかけます。縫い代は後ろ側に倒します。
アイロンの折り目をたよりに、袖口を三つ折りにして、ミシンで縫います。
⑦身頃と袖を縫い合わせます。
身頃と袖を中表に合わせます。
袖山のミシン糸を少しひっぱりながら長さを調整して、身頃のアームホールと合わせます。
しつけをかけてから、ミシンで縫います。
縫い代は2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンをかけます。
⑧スカートを作ります。
スカートの脇を縫って、縫い代は2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンをかけます。
縫い代はアイロンで後ろ側に倒しましょう。
裾は1.5cmの三つ折りにしてミシンで縫います。
⑨スカートのウエストのところにギャザーをよせるためのミシンをかけておきます。
布端から2.5cmのところに出来上がり線がありますので、この位置をはさむように2本ミシンをかけます。
糸端は長めにとっておきましょう。
⑩スカートにギャザーをよせながら、身頃と合わせます。
ギャザーのよせ方のコツは「ティアードスカートの作り方」の記事に書きました。
布端から2.5cmのところをミシンで縫います。
縫い代は2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンをかけます。
⑪縫い代を身頃側に倒して、切替えから2cmのところにミシンをかけます。
脇の位置から縫い始め、ゴム通し口として、最後は2cm程度縫い残しておきましょう。
⑫ゴム通し口からゴムを通して完成です。
まとめ
ベーシックなデザインですから、いろいろな布地で作れます。
製図は最初は難しいと思いますが、どんどん挑戦していくことで少しずつ分かっていくものですので、焦らず取り組んでみてください。
お気に入りの布地で作ると、愛着がわきますよ。
ぜひ作ってみてください!