シャーリングは、布にギャザーを寄せる装飾的なテクニックです。その中でも、ゴムを使って伸縮性をもたせるものをゴムシャーリングといいます。
ゴムシャーリングにはいくつかのやり方がありますので、ご自分がやりやすい方法で選ばれたり、または作りたいイメージなどによって使い分けされると良いと思います。
下糸にゴムミシン糸を使う
この方法は、ボビンケースを使用するミシンが対象です。
家庭用で多く採用されている水平ガマのミシンでは、ゴムミシン糸の弾力を調整するために内釜のネジ調整が必要となりますが、ここを調整することは、ミシンメーカーは推奨していないようです。
①ゴムミシン糸(ゴムカタン)を少し引っ張り気味に、ボビンに巻き付けます。(8分目くらいまで)
②ボビンケースの糸調子ねじを緩めて、ボビンをセットします。上糸は使う布地に合わせて選びます。
③布地の表面を上にしてミシンをかけます。
このとき、布を前後方向に引っ張りながらミシンをかけます。
上糸、下糸(ゴムミシン糸)とも、最初と最後に7~8cmくらいつけた状態にしておきます。返し縫いはしなくて良いです。
針目は3~3.5mmくらいで良いと思います。(針目を小さくするとギャザーが細かくなって、大きくするとギャザーの山が大きくなります)
④必要本数分縫ったら、ギャザーを整えます。
⑤残しておいた上糸の糸端を布地の裏面に出して、ゴムミシン糸と結んでとめます。(後でほどけると嫌なので、私は、固結びしてから2本をまとめて、ひと結びしています)
本番を縫う前に、必ず試し縫いをしましょう。
ボビンケースの糸調子調整ネジは、しめるとたくさん縮み、逆にネジを緩めると縮み具合がゆるくなります。
どれくらいの仕上がりにしたいのかによって、ボビンケースのネジを調整して、ちょうど良いところに合わせてから、本番を縫いましょう。
ジグザグミシンにゴムミシン糸を通す
ジグザグミシンで縫うので、水平ガマの家庭用のミシンでも出来るやり方です。
①シャーリングをしたいところに、布地の表面からジグザグミシンをかけます。
②ゴムミシン糸を刺繍用針に通して、布地の裏面から、ミシンの縫い目に通します。
③出来上がりの大きさになるようにゴムミシン糸を引っ張り、ギャザーを整えます。
④ミシン糸とゴムミシン糸の糸端を結んでとめます。
本番を縫う前に、必ず試し縫いをして、作りたいイメージに合わせてジグザグミシンの縫幅などを調整しましょう。
裏面にゴムテープを縫い付ける
3.5~5mm幅くらいのゴムテープを裏面に縫い付ける方法です。
①ゴムテープを出来上がりの長さに切ります。
②シャーリングしたい部分を4等分し、印をつけます。ゴムテープも同様に4等分して印をつけます。
③印どうしを合わせてピンでとめます。
④ゴムテープを引っ張りながら、ミシンをかけます。最初と最後は返し縫いでとめてください。
距離が長い場合は、4等分ではなく、6等分でも8等分でも良いです。その場合はゴムテープ側も同じく6等分または8等分にしてください。
ゴムテープではなく、シャーリングテープでも同じように縫うことができます。
ギャザーテープを使う
シャーリングをしたい部分の裏面に、ギャザーテープを平らの状態で縫い、その後ゴム糸を引っ張ってギャザーを寄せるやり方です。
①シャーリングしたい位置に、ギャザーテープをのせてミシンで縫います。
②出来上がりの寸法までゴム糸を引っ張ります。
テープが平らな状態でミシンをかけられて、ゴムを引っ張りながら縫う必要がないのがメリットですね。
ゴム糸を後から引っ張るので、ギャザーの寄せ具合も後から調整することができます。
ゴムテープを通す
シャーリングをしたい部分の裏面に当て布を縫い(または表布を折り返し)、ゴムテープ通し口を作り、後から必要な長さに準備したゴムテープを通します。
①シャーリングしたい部分の裏面に当て布を縫います。シャーリングしたい本数分ゴム通し口を作ります。当て布ではなく折り返してゴム通し口を作っても良いです。
ゴムテープ通し口の幅は、ゴムテープの幅より3~4mm大きめにします。
②ゴム通し口に、ゴムテープを通して、両端をミシンで縫いとめます。
まとめ
一見難しそうに思うゴムシャーリングですが、手順をおさえていろいろ挑戦していくとコツがつかめてくると思います。
洋服のどの部分に使用したいのか、または、どのような仕上がりにしたいのか、などによってやり方を選ばれると良いと思います。
ゴムミシン糸を下糸に使う場合や、ゴムテープを伸ばしながら縫う場合は、本番を縫う前に余り布などを使って練習することをおすすめします。
ゴムシャーリングができるようになると、作れるデザインの幅も広がりますよ。
参考にしてみてください。