「原型」は服作りの”元型”!~新文化式原型のかき方~

服の製図をするときに、原型というものを使って書きます。

原型は、一番シンプルな洋服のパターンで、ベストのような形をしています。

これを基準にして、ゆとりや丈をどれくらいプラスあるいはマイナスするのかを考えて洋服の製図をします。

 

世の中には、様々な原型が存在しますが、

趣味で洋服作りを楽しむ場合、準備しやすい原型がいくつかあります。

どれが良いとか悪いとか、そういうものではなく、考え方の違いなので、どれでも良いと思います。

 

その中から、今回は、

新文化式原型 とか 文化式原型成人女子用 と呼ばれる原型のかき方を紹介します。

 

原型を書くのがどうしてもイヤ、という方は、売っているものを使っても良いと思います。

バストサイズで見て、自分のサイズに一番近い線を紙に写し取ると良いです。

ウエストのサイズによってウエストダーツは違ってくるので、そこだけ書き直すと良いでしょう。

文化式 婦人原型 Mサイズ (H)_6b_

文化式 婦人原型 Lサイズ (H)_6b_

  

旧文化式原型のかき方はこちらの記事で紹介しています。

>>>原型操作ナシで使う原型~旧文化式原型のかき方~

 

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必要寸法を採寸する

原型は、自分のバスト(B)、ウエスト(W)、背丈の寸法を使用して、自分の体に合ったものを作ります。

メジャーを使って正確に測定して、メモしておきましょう。

可能なら、他の人に手伝ってもらって測定すると良いと思います。

 

一人で測定する場合、背丈をはかるのは難しいので、

「身長158cmの人は背丈38cm」を基準として、

身長±5cm違いで背丈は約±1cm違うとして、一旦設定してよいと思います。

  

 

基本線をかく

①から順番に線を書いていきましょう。

⑯まであります。

計算が多いので、電卓を使いましょう!

「①背丈」は自分の背丈寸法をとりましょう。

「B」は「バスト」のことです。自分のバストの寸法を入れて計算しましょう。

「E」はこの点の名前です。なんでもいいのですが、テキストや関連書籍でEとしているものがあるので、それと合わせています。

ここまでかけましたか?

  

計算式などをはずしてみると…

こうなっていると思います↓

 

前身頃をかく

次に、前身頃をかいていきます。

◎、▲、// などの記号は、同じ長さを意味しています。

⑲の長さは後ろ身頃で使いますので、メモしておきましょう。

◎、▲も後ろ身頃でも使いますのでメモしておきましょう。

カーブはDカーブルーラーを使用して、通る点を正確にとり、なめらかな曲線になるようにかきましょう。

↓こうなりましたか?大丈夫ですか?

後ろ身頃をかく

続いて、後ろ身頃をかきます。

この時点で、余計なところを消すと、こうなります↓

あともう少しです。がんばりましょう!

ウエストダーツをかく

まず、ダーツを入れるところに、下のように線をひきましょう。

ここにダーツを入れるわけですが、

どれくらい入れるのかは、人によって違いますので、自分の寸法で計算しましょう。

 

まず、総ダーツ量を計算します。

②は「基本線をかく」のところで計算した数値です。

「W」はウエスト寸法です。

総ダーツ量を100%として、a~fの各ダーツにこの割合で分配するという意味です。

総ダーツ量8~12.5の場合の計算済みの数値を入れていますが、この表の中に、自分の総ダーツ量がない人は、各ダーツの割合をもとに計算して出しましょう。

a~fのダーツの分量が決まったら、さっきひいた直下線を真ん中として、それぞれのダーツをかいていきましょう。

原型の使い方

原型には、いくつかのダーツが入っています。

後ろ身頃の肩ダーツ

前身頃のAH(アームホール)ダーツ

前後身頃のウエストダーツ

 これらをすべて縫うと、体のラインにそった、ベストのような形の服ができます。

 

洋服作りでは、作りたいデザインに応じて、

これらのダーツを他の場所へ移動させたり、分散させたりして製図をかきます。

この作業を「原型操作」といいます。

 

まず、自分の原型を使って原型操作をして、それを基準にして、洋服を製図をします。

 

原型操作については、また改めて記事にしたいと思います。

 

原型は、毎回かくものではなく、一旦作ったら、それを原型操作しながら、別の紙に写し取って使います。

作った日にち、バスト・ウエスト・背丈の寸法などを記入しておくと、あとから見てもわかりやすいですよ。

おつかれさまでした!!

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