さぁ洋服を作るぞー!と思って洋裁本を開いたら、
「水通しをしましょう」
という一文があって、悩んだことはありませんか?
一般的に、綿(コットン)と麻(リネン)は裁断前に「水通し」という作業をします。
これらの生地は、水につけて乾くと縮むことがあるため、洋服に仕立てる前に、いったん水につけてあらかじめ縮めておくことが必要です。
これが「水通し」です。
その後、たて糸・よこ糸を整え、布地のゆがみを直すようにていねいにアイロンをかけます。
これが「地直し」です。
では具体的にはどうすればいいのか、まとめていきたいと思います!
綿・麻の場合
大きめな桶を準備します。または浴槽などでもいいと思います。
①布を大きめにたたんで入れ、布が浸るように水を入れます。
たたんであると布の内側まで水が浸透しにくいので、めくって中まで水をかけます。
②そのまま1~2時間、水につけておきます。
③その後、つよく絞ったりせずに、そのまま洗濯機で脱水します。
時間は長くても1分くらいにしましょう。
④広げて物干しざおにかけて、陰干しします。
私は、浴室内のバーにかけています。
⑤完全に乾く前にとりこみます。
素材が何なのか、わからない場合や、
綿・麻だけれど、使用量が多くなって「できれば水通ししたくない」という状況の場合は、
まず縮むかどうかテストしてみると良いです。
布端をぴったり10cm四方にカットして、水につけます。
その後乾かして、アイロンで整えてから、何cmになったかをはかります。
変化がなければ、水通しは省略して良いと思います。
それから、ニットの布地の場合ですが、
ニットは縮むことが多いので、水通しをしたいところですが…。
濡らして干すと、重みで下がって伸びてしまいます。
なので、どうしてもやる場合は、平干しにしましょう。
でも、それを一般家庭で行うのはけっこう難しいので、私は、ニットは水通しはしません。
しないかわりに、ゆとり分をやや多めに考慮して型紙を準備するようにしています。
ウールの場合
ウールは、水につけることはしません。
全体にスチームアイロンをかけましょう。
または、表裏に霧吹きで水を浸透させたてから、アイロンを浮かせながら(押し当てずに)かけます。
毛足や凹凸感のあるような布地の場合は、つぶしてしまわないように特に注意しましょう。
もし、完成した服の洗濯はドライクリーニングをする、という場合で、
近所に布地だけのドライクリーニングをしてくれるお店があれば、そこで「地づめ」をお願いすると良いでしょう。
最近はチェーン店が多く、なかなかそういうお店もないようなのですが…。
合成繊維の場合
ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維は水通しの必要はないでしょう。
シルク・レーヨンの場合
シルクやレーヨンは水に弱い素材ですから、基本的に水通しはしません。
低温でドライアイロンをかけてシワを直す程度にしましょう。
地直し
水通しや地づめをした布地は、いったん、布目をよく観察しましょう。
布には「たて糸」「よこ糸」がありますから、きちんと直角になっているかを見ます。
ゆがんでいる場合は、布を手で引きながらアイロンをかけてゆがみを直します。
あまり強く引っ張り過ぎないように注意しましょう。
このときのアイロンの温度は、
綿、麻、ウールは、中温(150°くらい)。
シルク、合成繊維は、低温(120°くらい)。
布端の、使わない部分で試してみてから全体にかけましょう。
質感をそこねてしまうような心配がある場合は、当て布(綿のハンカチなど)をしてアイロンをかけましょう。
まとめ
自分でふだん着として作るような、スカート、ブラウス、ワンピースなどは、綿や麻を使うことが多いと思います。
最初は戸惑うかもしれませんが、一度やり方を覚えてしまえば、難しいことではありません。
大切な洋服を長く楽しむためにも、ぜひやってみてください。