洋服を作るときに、「接着芯」と聞いたことはありますか?
「接着芯」はきれいな洋服を作るためには大切なものです。
その種類や、使い方について、まとめてみたいと思います。
接着芯ってどんなもの?
接着芯は、布の片面にドット状の糊が付いているものです。
芯を貼りたい場所に糊の面を合わせ、上からアイロンをあてることによって糊を溶かして付けるものです。
ドットの形状や個数などによって、様々な種類がありますので、どんなふうに仕上げたいかによって選んで使用します。
接着芯は糊がついている布地によって、大きくわけると3つに分類されます。
・織物
・編物
・不織布
このうち洋服作りで使うのは、「織物」と「編物」の接着芯です。
「不織布」は主に小物やバッグ作りなどに使うものと考えてよいでしょう。
考え方としては、基本的には、
接着芯を貼りたい布地が織物なら、織物の接着芯。
編物なら、編み物の接着芯、として良いです。
編物の接着芯は、風合いが柔らかい感じになるので、ソフトに仕上げたい場合は、織物の布地に編物の接着芯をはってもオッケーです。
一方、織物の接着芯は、ニット地の伸縮を妨げてしまうため、編物の布地に織物の接着芯をはることは控えた方が良いでしょう。
接着芯をはる意味は?
接着芯をはる意味はいくつかあって、主なものは以下のとおりです。
・洋服のシルエットをきれいに保つため
・形くずれや変形を防いで安定させるため
・縫製時などのほつれ防止の補強のため
・取扱いの難しい布地を安定させ縫いやすくするため
ざっくりいうと、「安定させたいところ」にはるもの。それが接着芯です。
洋裁の本などを見ると、接着芯をはる部分の説明があると思いますので、それにしたがってはりましょう。
衿ぐり、袖ぐり、前あきなどの「見返し」
シャツなどの「衿」「カフス」
スカートの「ベルト」
などは、接着芯をはるのが一般的です。
接着芯のはり方
接着芯をはるときはアイロンを使います。
アイロンの温度は、中温で良いです。
極薄地や、熱に弱い素材は低温で行いましょう。
表布の裏面に、接着芯の糊が付いている方を合わせて置きます。
接着芯の布目は表布の布目と合わせるのが基本です。
接着芯は、ピシッと伸ばしたりせず、ふわっと、自然に置きましょう。
接着芯の糊がアイロンについてしまうので、当て布または当て紙を使いましょう。
パターンを切り取ったあとに余ったハトロン紙を使うのがオススメです。
アイロンは、すべらせずに、1か所につき5~10秒程度、上から押えるように当てます。
スチームアイロンの場合、スチームが出てくる穴の部分は接着できないので、少しずつずらしながら、まんべんなく当てましょう。
接着したら、平らな状態で冷ましましょう。
接着するとき、水分は与えずに、ドライアイロンで行うのが基本です。
ウールの布地は水分を与えて接着しましょう。
必ず、余った布地で試しばりをしてからはるようにしましょう。
おすすめの接着芯
先述したように、接着芯には、糊の形状や個数によって、たくさんの種類があります。
でも、
自分や家族の服を趣味で縫っているような場合は、基本的には
「普通地用」「厚地用」の2種類を使い分けるので良いと思います。
”ダンレーヌ” または ”アピコ” という商品名の接着芯が入手しやすいと思います。
下に書いたのは、品番です。この名前でお店に売っています。
<ダンレーヌ>
普通地用:R111
厚地用:R222
どちらも、ストレッチタイプの織物接着芯。
ソフトな接着芯で、幅広く使用できます。
薄手から中肉の生地に【ダンレーヌ芯地】R111(薄地用ソフト芯地)アイロン接着で簡単♪【洋裁材料・手芸材料・接着芯・芯】 |
<アピコ>
普通地用:AM100
厚地用:AM300
編物タイプの接着芯。伸縮性にすぐれていて表地となじみが良いです。
まとめ
接着芯をはるのは、表からは見えない部分です。
でも接着芯をはることで、洋服の出来上がりに差が出てきますよ。
ていねいに仕立てて、お気に入りの洋服を増やしていってくださいね。