裏地付きのノースリーブワンピースの作り方として、
肩から返す方法がよく知られていると思います。
下の記事でもご紹介しています。
この方法だと、肩の幅が狭い場合は全ての布地を通すことが難しくなります。
そこで今回は、肩の幅が狭い場合に使える、【肩をあとで縫う作り方】をご紹介します。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-11.png?resize=302%2C386&ssl=1)
原型操作
今回は、新文化式原型を使って作図します。
使う原型はこちらです。
後ろ原型は、原型操作なしでそのまま使います。
前原型はまず下のように、BLの脇線と、WLの1cm内側に入ったところを線で結んでおきます。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/08/60-1.png?resize=463%2C398&ssl=1)
次に前のアームホールダーツを閉じて、脇のダーツに移動します。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/08/60-2.png?resize=564%2C398&ssl=1)
作図
下の図の色がついているところは原型です。
ノースリーブの場合、アームホールから下着等が見えることを防ぐために、
袖ぐりにあまりゆとりを入れたくない、という考えがあります。
袖ぐりにもっとゆとり感の欲しい方や、重ね着する前提で作る方などは、ゆとり感を変えて頂いて大丈夫です。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-1.png?resize=591%2C727&ssl=1)
ここに、見返しと裏地の線を書きましょう。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-2.png?resize=505%2C714&ssl=1)
パターンの準備
見返しは別紙に写し取って、パターンを作りましょう。
下の図の赤字を参考に、パターンに縫い代をつけ、縫い代の線でパターンをカットします。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-3.png?resize=427%2C724&ssl=1)
準備するもの
・表地
110cm幅の布地の場合、2m80cm 使用します。
もう少し効率よく配置して長さが節約できる場合がありますので、分かる方は確認してみましょう。
・裏地
90cm幅の裏地の場合、2m 使用します。
キュプラの裏地でも、ポリエステル裏地でも、ニット裏地でもOKです。
・糸
布地に合わせて購入しましょう。
・ファスナー
後ろ中心にファスナーあきを作ります。
コンシールファスナーを想定していますが、それ以外のファスナーでもOKです。
・接着芯
前後の見返しの裏面に接着芯をはります。
裁断
表地
前後を裁断した後、見返しに使う分を粗裁ちして、裏面に接着芯を貼ってから見返しを裁断しましょう。
粗裁ちするときに布地の耳を含めておくと、布目を見失わないで裁断できます。
ダーツには、しつけ糸できりじつけをするなどして、印をつけておきましょう。
裏地
表地と同じパターンを使っても大丈夫です。
裾は、裏地の裾の線でパターンを折って使います。
布地にまち針でパターンをとめて、見返しの線をルレットでなぞって印をつけます。(※机を傷つけないように、カッティングボード等の上でやりましょう)
布地についたルレットの線が出来上がり線ですので、それに縫い代分を足して、裁断しましょう。
ダーツにもルレットで線を入れておきましょう。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-4.png?resize=400%2C772&ssl=1)
作り方
①表布 ダーツを縫います。
前身頃の脇、後ろ身頃のウエストにダーツがあります。
後ろウエストのダーツの縫い代は中心側に、前脇ダーツの縫い代は下側に倒します。
②表布 脇を縫います。
前後を中表に合わせて、両脇を縫います。縫い代は割ります。
③裏布 ダーツを縫います。
表身頃と同じ位置にダーツがあります。
一旦、出来上がり線でしつけ糸で縫って、2~3ミリ外側にミシンをかけて、きせを入れます。
縫い代は表地と反対側に倒します。
④裏布 脇を縫います。
裏布を中表に合わせて、脇を縫います。縫い代は後ろ側に倒します。
前後の見返しを中表に合わせて、脇を縫います。縫い代は割ります。
⑤裏布 見返しと裏地の切替え線を縫います。
見返しと裏布を中表に合わせて縫います。きせは入れません。
縫い代は裏地側に倒します。
⑥表地と裏地を中表に合わせて、衿ぐり、袖ぐりを縫います。
このとき、肩から4~5cmと、後ろ中心から3~4cmは縫い残しておきます。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-5.png?resize=472%2C329&ssl=1)
⑦衿ぐり、袖ぐりの縫い代に適度に切り込みを入れて、表に返します。
アイロンで出来上がりに整えます。
⑧表地の肩を中表に合わせて、縫います。
衿ぐり、袖ぐりの縫い代は広げた状態で縫いましょう。
縫ったら、肩線の縫い代は割っておきます。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-6.png?resize=387%2C333&ssl=1)
⑨見返しを出来上がりに折って整えて、縫い残した部分をまつり縫いでとめます。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-7-.png?resize=281%2C347&ssl=1)
⑩表布 後ろ中心を縫い、あきにファスナーをつけます。
⑪裾から手を入れて、後ろ中心の上端の縫い残してある部分を引っ張り出し、衿ぐりを縫います。
コンシールファスナーを使った場合、下のようになっていると思いますので、
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-8.png?resize=212%2C280&ssl=1)
見返しを後ろ中心から5ミリくらい内側で折り、表地は後ろ中心でファスナーごと折ります。
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この状態で、衿ぐりの縫い残した部分にミシンをかけ、表に返します。
![](https://i0.wp.com/yousai-blog.com/wp-content/uploads/2022/09/61-10.png?resize=187%2C206&ssl=1)
⑫裏布 後ろ中心をあき止まりより3cm下まで縫います。縫い代は右身頃側に倒します。
⑬表地、裏地、それぞれ裾を三つ折りにしてミシンをかけます。
⑭表地と裏地の脇を中とじします。
表地の脇縫い代と裏地の脇縫い代をしつけ糸で縫いとめます。位置は、袖ぐりの10cm位下から裏地の裾から10cm位上までくらいで良いと思います。
ゆるめに縫いましょう。
⑮ファスナーまわりの裏地を出来上がりに折って、ファスナーテープにまつってとめます。
⑯衿ぐり、袖ぐりにステッチを入れます。
まとめ
裏地付きのノースリーブの服は、縫い方の順序を知っておくことが大切です。
今回ご紹介した作り方は、手縫いでまつるところがありますが、折って整えた状態でしつけ糸で縫ってから行うとよいでしょう。
いろいろな縫い方にトライしていくうちに、立体的に考える力が養われていきますので、気軽に挑戦してみてほしいな、と思います。
ぜひ作ってみてください!