袖の作図をするとき、どのようにしていますか?
なんとなく数値をとっていけば書けるものだとは思いますが、しっかりと流れをおさえておくとパターン作りがスムーズになりますよ。
今回は、基本的な袖のかき方についてご説明します。
参考にしていただけると嬉しいです。
今回の製図
製図中の数値はデザインによって変わるもので、必ずこの値でなければいけないというものではありません。
今回は、下のような袖を書いていくとして、話を進めていきたいと思います。
作図の前に
袖の作図は、身頃のAH(アームホール)の寸法をもとに書いていきます。
前身頃、後ろ身頃、それぞれのアームホールをはかって、わかるようにメモしておきましょう。
はかるときは、メジャーを立てるようにして線上をはかっていきましょう。
基本の線、印を書く
①製図用紙に、基本となる横線と縦線を書きます。
②袖山の高さの位置に印をつけましょう。
今回は、15cmですから、縦線と横線の交点から15cmのところに印をつけます。
③アームホールの寸法を使って、斜めの線を書いていきます。
定規の「0」を袖山点に合わせて「前AH」の寸法で横線とぶつかる位置に定規をセットし、線をひきます。
後ろ側も同様にして斜めの線を書きます。
④「前AH÷4」を計算して、袖山点からその寸法をとって印をつけます。
前後とも、同じ数値でOKです。
⑤前側の斜めの線の、半分の位置に印をつけます。
その印から1cm下がったところに、横線をひきましょう。
⑥後ろ側の斜めの線との交点から1cm下がったところにも印をつけます。
通る点をとっていく
⑦ ④でつけた印の位置で、ふくらみ分をとります。斜めの線と直角にとりましょう。
⑧袖底を写します。
下の図を見てください。
★の印どうしを合わせて、前身頃の袖底を袖の作図に写し取りたいと思います。
袖の作図をしている製図用紙を裏にひっくり返して、身頃に重ね、★を合わせて袖底を数cm写します。
後ろ側も同様にして写してください。
※袖底側のふくらみ分を、作図内で数値で指定してあることもあります。
その場合は身頃を写さずに、指定されている数値を参考にしてふくらみ分をとればOKです。
⑨これから書く袖山は、下の赤いところを通ることになります。
これらを、カーブ定規でなめらかに結ぶと、下のようになります。
⑩袖底より下の部分を書きます。今回は長方形の形です。
袖山点から袖丈の寸法をとって、四角に結びましょう。
袖山の寸法確認について
袖山のカーブをかいた時点で、寸法の確認をしましょう。(⑨と⑩の間で行います)
袖山のカーブを前後それぞれメジャーではかってみます。
身頃のAHに対して、どれくらい長くなっているかを計算します。
最後の赤の□のところに出る数値が、多くても7~8%くらいまでにすると良いです。
※デザインによっては、すごく少ない数値になったり、0%になることはあります。
計算した結果「袖山の寸法を短くしたい」とか「前後のバランスを調整したい」などという場合は、③のところで書く斜めの線の長さを調整して書き直すか、
もしくは、数mm程度なら、袖底の位置をそのまま数mmカット又は延長してよいと思います。
厳密な話になると、ちょっと違うかもしれませんが、
自分で趣味で作る洋服ですから、これで問題ないと思います。
まとめ
基本の袖の作図のかき方を何度か練習して、線をひく順番をマスターすると良いですよ。
数値が変わっても手順は同じです。
基本の袖は様々な袖に応用していくことができます。
袖のかき方を覚えてさらにステップアップしましょう!